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酒ミュージアム 酒蔵館
兵庫県西宮市浜町

●震災の記憶の継承●民間建築物●1930(昭和5)●70歳



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詳細
所有者の変遷 辰馬本家酒造
設計者、施工者、
その他情報
大林組(改修時)
様式、特徴 西宮は古くから酒造の盛んな所であるが、宮水の出る酒蔵通り周辺には酒造会社が軒を連ねている。黒塗板の外装に瓦屋根はこの地域によく見られた酒造場の造りである。
構造 大蔵(木造)、ミュージアムショップ(木造、RC造)
建物の使われ方 辰馬本家酒造(株)が持つ木造の酒造工場を博物館としてリニューアルしている。元工場であったものを改装し酒造博物館として一般公開されている。
年間利用者
歴史、変遷 西宮は宮水が出ることから古くから酒造りが盛んなところだった。国道43号線と海の間を東西に走る通り沿いには特に酒蔵会社が集中しており、「酒蔵通り」と呼ばれるようになった。阪神・淡路大震災によって、白鹿記念酒造博物館は新館である記念館を残し、指定重要文化財の煉瓦蔵は全壊してしまった。伝統的な木造建築の大蔵もかろうじて倒壊を免れたが、大きく傾き、屋根瓦にかなりの損傷を被った。震災後、「大蔵」を展示スペースとして再生することが決まった。
地域の思い
再生の目的 地域文化の表現、震災の記憶の継承
保存・再生活用
に至る経緯、
地域の意見
当時の酒文化を残すことと共に、震災からの街の復旧が進む中での指標となるようにするため保存・再生することとなった。
手本事例
機能・用途の変更
のための
改修操作
外部(大蔵):
屋根―地震力を低減するために在来の土葺きの屋根瓦を引掛桟瓦に改修し屋根の軽量化を図った。
外壁―耐火パネルの上現場モルタル、仕上げ焼杉板張。
内部(大蔵):
構造体―柱、梁等の主要構造材を残しながら別の新設補強材を加えた。
内壁―強化石膏ボード、薄塗セメント系美装仕上げ。
法規クリアの
ための改修操作
外部(大蔵):地震力を低減するために在来の土葺きの屋根瓦を引掛桟瓦に改修し屋根の軽量化を図った。
内部(大蔵):柱、梁等の主要構造材を残しながら別の新設補強材を加えた。
建築の歴史や
記憶を残すために
保存したもの
震災の記憶をより表現するために傾いた木造架構に、鉄骨フレームの構造体を挿入し2重架構構造とした。柱の下の基礎の至るまでそのまま保存し、形態を変えないようにした。柱・梁等に貫通釘を使用しなかった。
改修にあたって
現場で発見した
苦労など
改修当時の
法規との関係
クリア
文化財等の指定
事業費 480,000,000円
補助金
改修後の声/
今後の展望
工事中に「大蔵の床下から酒造りに関する近代遺構が偶然発見され、近く専門家による発掘調査が行われることになった。近い将来、発掘作業そのものや遺構の一部をこの学術調査の成果品として新しい「酒ミュージアム」に展示する予定である。
その他
参考資料 「新建築」/1998年6月号
           
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