里地ネットワーク 建築再生事例集  表紙へ戻る  次の事例へ
手打ちそば百丈
埼玉県川越市元町1-1-15

●看板建築の再生活用●民間建築物●昭和初期

 川越伝統的建造物群保存地区の北東の端に位置する建物である。看板建築と呼ばれる建物の中でも壁面の形態・保存状態が申し分ない上、内部は改装され店舗として十二分に活用されている。

 他の写真を見る  図面を見る

詳細
所有者の変遷 民間→民間
設計者、施工者、
その他情報
改修時設計/中山秀明建築研究室
様式、特徴 大正から昭和にかけて流行した「看板建築」と呼ばれる建築。壁面を飾る金属板は、半円柱のエジプト風の柱を模しており、現在では再現が困難である。
構造 木造3階
建物の使われ方 内装を一新し、1・2階は店舗、3階は、工芸・版画・建築・絵画などの展示スペースとして活用している。
年間利用者 地元の人、観光客、毎日多くの客が来店する。
歴史、変遷 1930年(昭和5)に湯宮釣具店として建築された。当時は店舗併用住宅で、2階は住居、3階は倉庫として使われていた。釣具店が閉店した後数年間は空き家となっていたが、1997年に内装と入口部分を中心とした改装を行い、「手打ちそば 百丈」が開店した。二年後の1999年に、有形登録文化財ととなった。
地域の思い 蔵造りの街並みで有名な川越だが、それ以外の建物も含め、街ぐるみで景観を大切にしている。この建物は、前の所有者が退去した後は暫く放置されており、その間は街の人々や、交差点の反対側にある川越市役所の方々も、建物の行く末を心配していた。現オーナーは川越で生まれ育ったということもあり、百丈開店の際には「あの人たちになら安心して任せられるだろう」と、皆がホッと胸をなで下ろしたそうだ。
再生の目的
保存・再生活用
に至る経緯、
地域の意見
看板建築と呼ばれる建築の中でも、移築保存された一軒を除くと最も見事だと言われているため、街の人々は何とかして残したいと思っていた。川越で生まれ育った現オーナーがそれに応えた形で今に残る。
手本事例
機能・用途の変更
のための
改修操作
・飲食店として活用するため、設備の導入、内装の変更を行った。
・3階はハシゴで上がる倉庫であったが、階段を設置し、展示スペースとした。
法規クリアの
ための改修操作
建築の歴史や
記憶を残すために
保存したもの
改修にあたって
現場で発見した
苦労など
建築当時、厳しい世の中だったのか、3階の屋根裏の梁などは、あまり良い材料を使っていないことが分かった。釘痕やほぞの痕が残る古材も使われていた。
改修当時の
法規との関係
文化財等の指定 ・1999年7月16日、有形登録文化財
・都市景観重要建築物(市指定)
事業費
補助金
改修後の声/
今後の展望
店舗が登録文化財とされることは、特に制約になるとは考えなかった。そういった価値があること、登録の可能性があることを知った上で改修し、開店した。登録は嬉しいことである上、建物を見に来る人が増えると経営にも良い影響があると考えている。
その他 川越市では2年に一度都市景観表彰を行っており、百丈も過去に選ばれている。この賞の審査では、ただ外観について保存の度合いが測られるだけでなく、建物内部についても入念に行われ、現代にいかに活用されているかが重要なポイントとなっている。
参考資料 そばのみ新聞 第9号
           
 表紙へ戻る 里地ネットワーク 建築再生事例集  次の事例へ